東南ア最低水準に鈍化 成長率、コロナ除けば16年半ぶり
建設・投資急減でGDP成長2.3%、コロナ除き16年半ぶり低水準
比統計庁(PSA)は7日、2026年第2四半期(4~6月)の実質国内総生産(GDP)が前年同期比2・3%増だったと発表した。第1四半期の2・8%増、前年同期の5・4%増からさらに鈍化した。「治水汚職ショック」で4・0%に下がった昨年第3四半期から4四半期連続の減少となった。コロナ禍以降で最低。コロナ禍のマイナス成長(20年第1四半期~21年第1四半期)を除けば、世界金融危機の影響で1・8%に落ち込んだ2009年第4四半期以来、約16年半ぶりの低水準だ。
現時点で第2四半期成長率を発表している東南アジア主要国と比べると、ベトナム(8・4%)、マレーシア(5・8%)、シンガポール(5・7%)、インドネシア(5・3%)のいずれよりも低く、東南アジアでも最低水準となった。
経済計画開発省のバリサカン大臣は「政府の年間目標である3・5~4・5に届くためには、下半期は少なくとも4・4%成長する必要がある」と指摘。「簡単ではないが、政府全体で取り組めば実現可能だ」とした。
カストロ大統領報道官は、「想定したより低かった」と率直に認めた上で、「一時的なものだ」との見方を示した。
政府の成長目標は7月に5・0~6・0%から引き下げられているが、その達成も危うい状況だ。
▽公共事業回復遠く
成長鈍化の主な要因は投資と建設の落ち込み。支出面では政府・民間による総資本形成がマイナス9・2%と大幅減。内訳では建設投資がマイナス14・8%、耐久設備がマイナス13・6%、繁殖用家畜・果樹開発がマイナス7・6%。一方、知的財産生産物は2・9%増、貴重品は23・3%増だった。
生産面では鉱工業・建設部門がマイナス2・4%の減少。その中でも顕著だったのは建設業でマイナス13・9%。同部門の落ち込みの最大要因となった。政府部門の建設活動はマイナス32・4%と大幅に縮小し、鉱業・採石業もマイナス9・8%だった。
一方、製造業は2・6%増、農林水産業は2・7%増、サービス業は4・5%増を確保した。
▽「成長エンジン」の家計冷え込む
内需では家計最終消費支出の伸びも前年同期の5・2%から、2・8%まで冷え込んだ。コロナ禍を除き、「フィリピン経済のエンジン」である家計支出が3%を切ったのは、2010年第3四半期(2・6%)以来。そのなかでも交通費がマイナス7・5%、酒類・たばこがマイナス1・9%、娯楽・文化がマイナス0・8%、外食・ホテルがマイナス0・2%となった。「オイルショック」を反映した交通費の抑制に加え、必需性の低い商品サービスへの支出を絞ることで、生計を守った結果とみられる。
これに対し政府最終消費支出は8・3%増、輸出は12・2%増と堅調で、建設・投資の落ち込みを一部補った。
海外からの純所得を含む国民総所得(GNI)の成長率も昨年同期の8・1%から2・2%まで鈍化。コロナ禍を除けば、1・6%を記録した2002年第3四半期以来の低水準となった。短期海外就労者所得を含む海外からの純所得も昨年同期の31・7%から1・0%に鈍化した。中東情勢の悪化で3月以降、1万人以上の海外就労者らが帰国したことが影響したとみられる。








