地政学リスク高まる中で連携推進 日・ASEAN経済大臣会合
ASEANと日本はパサイ市の国際コンベンションセンターで第32回ASEAN経済大臣・経済産業省協議を開催
東南アジア諸国連合(ASEAN)と日本は20日、首都圏パサイ市のフィリピン国際コンベンションセンター(PICC)で第32回ASEAN経済大臣・経済産業省(AEM-METI)協議を開催した。世界的な地政学的緊張の高まりやエネルギー市場の不透明感が深まる中、双方のサプライチェーンの強靱性強化、エネルギー安全保障の確立、および地域経済の安定に向けた連携推進で一致した。共同議長を務めた日本の赤澤亮正経済産業相とフィリピンのマリア・ロケ貿易産業相は、半導体や重要鉱物といった戦略分野での産業協力を加速させる方針を確認した。
会合では、相次ぐ地域紛争や地政学的摩擦、貿易環境の不確実性が国際経済の予測可能性を低減させ、特に中小零細企業(MSME)の経営環境に打撃を与えている点に強い懸念が示された。さらに、中頭情勢や国際航行に使用される主要海峡を通る燃料輸送ルートのリスク増大を踏まえ、エネルギー安全保障と世界的なサプライチェーンの維持に向け、日・ASEAN間で重層的な協力体制を急速に再構築する必要性が強調された。
日本側からは、半導体、重要鉱物、バイオ燃料、循環型経済の各分野における具体的な地域協力策が提案された。また、アジアの脱炭素と経済成長を両立させる「アジアゼロエミッション共同体(AZEC)2・0」の実現や、エネルギー資源の強靱化を目指す「POWERR(Partnership on Wide Energy and Resources Resilience)」構想について協議を深化。2023~33年の「日・ASEAN包括的経済共創計画」に基づき、デジタル・フィジカルの連結性強化や高度人材育成を共同で推進することで合意した。
貿易制度の側面では、日・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)が経済関係の強固な基盤であることを再確認し、東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)によるAJCEP格上げに向けた共同実現可能性調査の開始を歓迎した。発表された暫定統計によると、25年の日・ASEAN間の双方向財貿易額は2454億ドル(約36兆8000億円)、日本からの対ASEAN直接投資(FDI)額は95億ドルに達しており、日本は依然としてASEANにとって上位5位以内に入る主要な貿易・投資パートナーとしての地位を維持している。








