フィリピン新聞

本日休刊日

中長期の成長目標を下方修正 内外のリスク反映、26年は3.5~4.5%に

1373字||経済

予算調整委は、2026年から30年にかけての中長期マクロ経済前提、経済成長率目標、および財政プログラムを改定

予算管理省ロゴ
予算管理省ロゴ

 予算管理省の国家予算調整委員会(DBCC)は8日、国内外における不確実性の高まりや外部リスクの深刻化を受け、2026年から30年にかけての中長期マクロ経済前提、経済成長率目標、および財政プログラムの改定を発表した。DBCCは、今回の見直しが慎重な計画と変化するリスクを反映したものであるとしつつも、フィリピン経済の強靭(きょうじん)性とマクロ経済の基礎的条件の維持に強い自信を示している。

 改定の背景として、DBCCは26年通年の国内総生産(GDP)成長率目標を3・5~4・5%に下方修正した。27年から30年にかけては年5~6%成長への回復を見込んでいる。26年の減速要因には、政情をめぐる諸問題や中東情勢の緊迫化に伴う地政学リスク、高水準で推移するインフレに加え、海外送金や外国人旅行者数の伸び悩み、さらには26年後半に農業生産などへ悪影響を及ぼす可能性があるエルニーニョ現象が挙げられている。

 26年のインフレ率見通しは6~7%へと引き上げられ、27年に4~5%に減速した後、28~30年に政府目標である2~4%の範囲に収束する見込み。また、国際原油先物市場の動向を踏まえ、26年のドバイ原油価格の前提を1バレル=80~100ドルに設定した(27年は70~90ドル、28~30年は60~80ドルに漸減)。為替レートについては、外部環境の悪化や国内の逆風を反映し、26~30年の期間を通じて1ドル=60~62ペソの大幅なペソ安水準で推移すると想定している。貿易面では、輸出成長率を26年に3%、27~29年に4%、30年に5%と予測。輸入成長率は26年と27年に5%、その後は4~5%に落ち着くとみている。

 また、税制改革、税務行政の強化、デジタル化、および法執行の徹底により、歳入(政府収入)を26年の4兆8100億ペソから30年には6兆5200億ペソへと拡大させる計画。一方、政府歳出は26年第1四半期に1兆4900億ペソに達しており、通年ではGDPの21・2%に相当する6兆4700億ペソに達する見通し。中期的には27年に6兆9000億ペソ、30年には7兆9800億ペソへと拡大する。これにより、財政赤字の対GDP比を26年の5・4%から30年には3・5%へと縮小させ、財政健全化を推し進める方針だ。

 さらに、DBCCは27年度の国家予算案として、GDPの21・7%に相当する過去最大の7兆2000億ペソ(約19兆4000億円)を提案した。この予算は、ガバナンス改革、公共支出の効率化、補助金対象の最適化、地方分権への支援、およびインフレ耐性を備えたインフラ旗艦プロジェクトの進捗加速に重点的に配分される。

 DBCCは声明で、「今回更新されたマクロ経済前提と財政プログラムは、ますます不確実性を増す世界環境下における政府の責任ある経済管理へのコミットメントを示すものだ」と強調。「外部環境は世界中の経済にリスクをもたらし続けているが、比は健全な財政規律、エビデンスに基づく政策立案、および長期的な開発優先事項への持続的な投資を通じて、柔軟に対応可能な優位性を維持している」とし、今後も国内外の動向を注視しながら、データに基づいた適時な政策対応をとることで、マクロ経済の安定と持続的な成長を確保していく姿勢を示した。

経済