比「上位中所得国」へ格上げ 世銀認定、約40年ぶりの「卒業」
レクト官房長官が声明を発表し、世界銀行による経済分類において比が正式に「上位中所得国」へ格上げされたことを歓迎
ラルフ・レクト官房長官は2日、世界銀行による最新の経済分類において、フィリピンが正式に「上位中所得国」へ格上げされたことを歓迎する声明を発表した。レクト長官は、今回の格上げは単なる象徴的な変化にとどまらず「比の経済ファンダメンタルズ(基礎的条件)が一段と強化された証左だ」とした上で、持続的な経済拡大と投資家の信頼向上をもたらし、結果として国民へのさらなる雇用の創出や投資誘致につながるとの強い期待を示した。
世界銀行によると、比の上位中所得国への昇格は、広範なセクターに支えられた堅調なマクロ経済成長が原動力となった。比は過去5年間で平均5・8%の年間実質国内総生産成長率を維持。さらに、経済企画開発省(DEPDev)の最新推計によれば、2025年の1人当たり国民総所得(GNI)は4850ドル(約73万円)に達し、世界銀行が定める上位中所得国の基準閾(しきい)値である4636ドルを突破した。1人当たりGNIは、国内外で国民が得た所得の総計を人口で割った指標であり、国民の平均的な生活水準や購買力の向上を測定する最重要の経済シグナルとされる。
比は1987年に「下位中所得国」に分類されて以来、約40年間にわたり同カテゴリーにとどまっていた。今回の「卒業」により東南アジアおよびアジア周辺地域において、中国、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムといった新興上位中所得国の並びに名実ともに加わることになる。
一方、レクト長官は「上位中所得国への到達を、国家の最終的なゴールと見なしてはならない」と釘を刺している。長官は「真の成功の物差しは、比のすべての家庭がその恩恵を日々の暮らしの中で実感できているか否かだ。より多くの国民が貧困から脱出し、生活負担が軽減されるまで政府は改革の手を緩めない」と述べ、成長の果実を格差是正と貧困削減へ還元していく決意をにじませた。
現在の経済的モメンタム(勢い)を持続させ、中長期的な経済運営を確固たるものにするため、マルコス政権はインフレ率の抑制、雇用の防衛、国民購買力の強化、および消費者・企業マインドの改善を最優先課題に設定している。具体的には、2026年後半に向けた大型インフラプロジェクトの実施加速や、中東危機の長期化による燃料高等の悪影響を和らげるためのターゲット型支援策の継続、さらに26年度国家予算の効率的な執行と、現在編成中の27年度歳出計画の早期策定を進める。
また、行政手続きの簡素化やデジタル接続性の強化、教育・労働スキルの高度化、さらには気候変動や外部からの予期せぬショックに対する経済全体のレジリエンス(強靭化)を高める構造改革にも着手する。なお、上位中所得国への格上げに伴い、今後は国際機関などからの譲渡性(低利・緩和)融資への依存から段階的に脱却していく必要があるため、政府は官民連携(PPP)の拡充や国内資本市場の深耕、市場ベースの自律的な資金調達手段の確保を通じて、持続的な開発投資資金を維持していく方針だ。








