フィリピン新聞

マニラ
33度-25度
両替レート
1万円=P3,950
$100=P6230

エルニーニョと中東情勢で比経済の成長鈍化へ ADB「アジア開発見通し」9月版

1661字|||社会|新聞論調
新聞論調
新聞論調

 9月23日、アジア開発銀行(ADB)は『アジア開発見通し(ADO)』の9月版を発表した。これは比を含むアジア諸国にとっておそらく最も包括的な経済予測であり、最新の予測の一つでもある。ADOは通常、1月、4月、7月、9月に更新され、前回の更新からの変化を追跡することに重点を置いている。そのため、経済の動向を把握するための、ほぼリアルタイムに近いツールとなっている。

 9月のADOの更新版は、比にとってあまり心強いとは言えない見通しを示した。しかし、経済政策決定者がADOを本来の意図通りに活用すれば、それは避けられない運命ではなく、管理すべきリスクを特定するものとなるだろう。

 大まかに言えば、比は残念ながら、アジアにおいて経済パフォーマンスの低迷が目立つ国の一つである。9月のADOにおいて、ADBは2026年の比のGDP成長率予測を7月期の3.8%から3.3%に下方修正し、2027年の予測も従来の5.3%から5.1%に引き下げた。

 2026年のインフレ率見通しは7月時点の5.9%から変更なしだが、2027年については3.9%から4.4%へと上方修正された。これらの指標は、シンガポールを除くASEAN諸国とは著しい対照をなしている。これらの国では、2026年および2027年のGDP成長率はそれぞれ0.2%および0.1%上昇すると予測されており、インフレ率は2026年に0.1%、2027年に0.3%上昇すると見込まれている。

 とはいえ、比の見通しがこれほど悲観的なものとなっている要因は、ほぼすべて外部要因によるものであるという点には、多少の慰めを見出せるかもしれない。主な要因は、すでにその影響が顕在化しており、今後さらに悪化する可能性が高い超エルニーニョ現象の影響と、中東戦争の余波である。

 これら2つの現象のうち、アジア開発銀行(ADB)の評価ではエルニーニョにかなり大きな比重が置かれていた。おそらく、影響を受ける国々が、まだエルニーニョに対する対策が可能であるためだろう。エルニーニョは少なくとも2027年初頭まで続き、今年末にピークに達すると予想されており、農業や食料価格に最も大きな影響を与えるが、エネルギー生産、経済全体の生産性、公衆衛生にも影響を及ぼすだろう。

 9月23日のADBの記者会見で特に取り上げられた点として、エルニーニョ現象による食料価格への影響は、気候の乱れが収まった後も2027年まで長く続くだろうということがある。過去のエルニーニョ現象では、米価格は気候が中立状態に戻ってから6~9か月後にピークを迎える傾向があり、これはインフレや生活費の上昇圧力が来年の大半を通じて懸念材料となり得ることを意味している。

 朗報としては、中東からの送金が堅調に推移しており、2026年上半期には前年同期比で小幅な増加を記録したことだ。送金の伸びはインフレを相殺するには不十分だが、送金を受け取る世帯の購買力の低下は、ペソ安によってかなりの程度相殺されている。

 ADBは、比を、スリランカ、パキスタン、バングラデシュとともに、中東からの送金に「依存している」国に分類しており、同地域からの送金は比への送金総額の約18%、すなわち国内総生産(GDP)の約1.6%を占めている。

 また、比は債務負担や財政赤字によるリスクが特に高いとは見なされておらず、今年を通じてのペソ安について尋ねられた際、ADBの専門家たちは、報道や世間の議論で描かれているほど深刻な問題ではなく、同地域において特異な事例でもないとの見解を示した。

 比は他国に比べて出遅れており、これまでのところ世界的なショックによる影響を他国ほどうまく吸収できていないものの、経済リスクに対応し、悪影響を食い止めるための基盤は依然としてかなり堅固である。しかし、そのためには、注意深く、的を絞った経済政策の選択と実行が必要となる。政府はその姿勢を緩めてはならない。(9月26日・マニラタイムズ社説)

新聞論調