国家予算に違憲判断 議会増額巡り最高裁、大統領府は再審理請求へ
最高裁が24、25年国家予算で一部項目の増額を違憲と判断、政府は再審理請求へ
最高裁は20日、議会が2024、25年の国家予算で大統領提出案の歳出総額を上回る増額を行ったことは憲法違反に当たるとして、両年の予算法を違憲と判断したと発表した。26年予算についても、政府の歳入総額が目標に届かなくても個別の税外収入の増加を理由に予備費を支出できる規定を違憲と認定。大統領府のカストロ報道官は21日、政権は憲法や法律に違反していないと反論し、政府法務局を通じて最高裁に再審理を求める方針を表明した。
最高裁が7日に下した判決によると、議会の上下両院協議会は24年の国家予算で、大統領が提案した予備費を4495億ペソ増額した。憲法は議会が大統領の提案した歳出総額を増やすことを禁じており、最高裁は、通常予算だけでなく予備費を含む総額にこの制限が及ぶと判断した。
25年予算では、議会が公共事業道路省の特別道路基金を179億9000万ペソ増額したことを同様に違憲とした。政府機関の特別会計への127億5000万ペソの増額についても、行政法典違反と判断した。また、24、25年の予備費に設けられたインフラ・社会事業支援枠「SAGIP」について、予算成立後に政府が個別事業を決定できる仕組みは、憲法が禁じる一括計上方式に当たると判断した。
26年予算では、税外収入の個別項目が目標を上回れば予備費を支出できるとする条項を問題視。最高裁は、政府の歳入全体が予算上の目標を超えていなければ、こうした予備費の支出は認められないとし、問題の2条項の執行を恒久的に差し止めた。予備費という制度自体を違憲としたわけではない。
カストロ報道官は21日の会見で、最高裁の判断を尊重するとした上で、議会は2015年以降、特定の税外収入が目標を上回った場合の予備費支出を認めてきたと説明。歳入総額の目標達成を条件とする最高裁の判断は「議会が定めた条件を実質的に変更するものだ」と反発した。この条件では予備費が事実上使えなくなるとも主張した。
また、マルコス大統領の責任を問う質問に対し、同報道官は政権は法律に従ってきたとし、「大統領に責任が生じるとは考えない」と述べた。一方、最高裁は、違憲とされた予算に基づく支出済みの事業などの法的効果を一定範囲で認めつつ、予算の立案・実施に関わった当局者の責任まで自動的に免除するものではないとの判断を示している。
カストロ報道官は、26年予算の予備費については判決が確定していないとして、支出を継続するか停止するかの方針は現時点で決まっていないと説明した。最高裁のティン広報担当官によると、政府は判決文の受領から15日以内に再審理を請求できる。
今回の判決は、故ラグマン元下院議員らによる違憲立法審査請求のほか、ピメンテル元上院議長とアルバレス元下院議長が提起した申し立てなど4件を併合審理したもの。26年予算については、レイラ・デリマ下院議員らが予備費制度そのものの違憲性を訴えていた。ピメンテル元上院議長は今年春、日比関係強化への貢献で日本政府から旭日大綬章を受章している。








