先住民族月間で改めて向き合う 搾取から修復的正義へ
国連の推計によると、世界には100カ国近くにまたがって約5億人の先住民族が暮らしている。彼らは約5000の異なる文化をもち、人類の7000の言語のうち、圧倒的多数の言語の保持者でもある。
先住民族は、独自の知識体系や世界観を守り続けているにもかかわらず、豊かな伝承の知恵を継承する彼らは、敬意を受けるかわりに、差別、権利の剥奪、そして先祖代々の土地の奪取と闘っている。
比は、アジアにおいて先住民族の権利を明示的に認めた最初の国の一つである。まず1987年憲法で、その後1997年の「先住民族権利法」などの法律において、先住民族の先祖代々の領域、自治、協議および参加の権利を確約し、同様の機関を統合して「先住民族委員会(NCIP)」を設立した。
わが国の諸島には200を超える先住民族グループが居住しており、2020年には総人口の10%近くを占めていたことを考えれば、わが国が先住民族に重きを置いていることは当然のことである。
実際、10月は「全国先住民族月間」であり、先住民族の同胞たちの現状やニーズを見つめ直す絶好の機会である。比の先住民族コミュニティは依然として深刻な疎外、構造的な差別、そして先祖代々の土地に対する絶え間ない脅威に直面しているからだ。
先祖代々の土地の認定申請は極めて複雑で、法的支援なしでは手続きが難しい。先住民族権利法に基づく「先祖代々の領域所有権証明書」および「先祖代々の土地所有権証明書」の取得には、時間と費用のかなりの負担が必要となる。長い待機期間中、先祖代々の土地は、企業や資源採掘産業に奪われる危険にさらされる。
先住民族委員会、環境天然資源省、農地改革省、地方自治体などの政府機関も、土地とその資源を所有、利用、管理する権利を有する者を決定する点において、管轄権が重複しているのも問題だ。
鉱業法は、影響を受ける先住民族文化共同体の正式かつ自由で事前の情報に基づく同意を得ずに、先祖代々の土地に立ち入り、資源を採掘することを禁じている。同意の要件は、先祖代々の土地に対する先住民族の権利を強化することを目的とした先住民族権利法によってさらに裏付けられている。しかし、その権利が認められるまでには非常に長い時間を要するため、先住民族は競合する権利主張に対して脆弱な立場に置かれたままである。しかも、先住民族委員会は人員・資金不足、物流面での支援不足に直面している。
では、何ができるだろうか。第一に、先祖代々の土地の認定を迅速化することだ。法律の見直しと改正も行うべきである。権利保有者が権利を現実的に行使できるよう、規則や手続きの合理化・簡素化、より充実した財政支援を進めなければならない。「権利」の付与のみが行われ、それを適切に活用するための権限や資源が伴わなければ、不利な提携関係や、土地の合法的な収奪につながる恐れがある。
先住民族に他の比人と同じものを与えることや、他の比人と同等に扱うことだけでは不十分である。奪われたものを取り戻し、何百年にもわたる搾取、追放、疎外によって引き起こされた被害を修復するためには、それ以上のものが与えられるべきなのだ。修復的正義とは、予算の増額や法改正にとどまらず、植民地化という問題そのものに真正面から取り組むべきものである。
また、視点の転換が必要だ。問題を単に「財産権の問題」として捉え、財産権が回復されれば解決すると考えるのではなく、先住民の法、文化、伝統を尊重することで、彼らの自己決定権を回復することを目指すべきだ。
比の先住民族のための修復的正義に向けた第一歩は、スペイン人が到来するはるか以前から、私たちの島々を故郷としてきた文化を尊重し、認めることにある。先住民族なくして比人は存在し得ない。彼らに先祖代々の土地に対する権利を認め、自己決定権を回復させることは、慈善行為ではなく、国家そのもののアイデンティティの基盤となる義務なのである。(10月6日・スター、エメリン・アグリパイ=ビリヤール氏)








