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比の低い完全母乳育児率 改善には社会全体の取り組みが必要

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 世界保健機関(WHO)は、母乳育児を子どもの健康と生存に最も効果的な方法の一つとしており、毎年8月1日から7日までを「世界母乳育児週間」として定めている。今年のテーマ「母乳育児を優先しよう:持続可能な支援体制を構築しよう」は、母乳育児の成功が母親の決意だけでなく、家族、地域社会、職場、政府からの支援にも左右されることを認識させてくれる。

 多くの比人は、「完全母乳育児」という言葉が文字通りその意味を表していることを知って驚く。生後6ヶ月間、健康な乳児に必要な食べ物や飲み物は母乳だけであり、医学的な指示がない限り、水、粉ミルク、ジュース、お茶、その他の食品は一切必要ない。熱帯気候のわが国であっても同様だ。一方、母親には、栄養バランスの取れた食事、十分な水分や健康的な飲み物、十分な休息、家族の支えが必要である。赤ちゃんのケアは、母親のケアから始まるのである。

 しかし、全国調査によると、比の乳児のうち、生後6か月間、完全母乳育児を受けているのは10人中4~5人程度にとどまっている。

 「赤ちゃんの最初のワクチン」とも呼ばれる母乳は、乳児を下痢や肺炎、その他の感染症から守り、健全な脳の発達を促し、母子の絆を深める。また、母親にとっても、出産後の回復が早まり、乳がんや卵巣がんのリスクが低下するというメリットがある。しかし、科学的な根拠が明らかであるにもかかわらず、なぜ多くの母親が完全母乳育児をやめてしまうのだろうか。

 その答えは、単に母親にあるのではなく、彼女たちの環境にある。多くの女性は出産後すぐに職場復帰を余儀なくされ、矛盾したアドバイスを受けたり、専門的な母乳育児の指導を受けられなかったり、授乳室や柔軟な勤務体制が整っていない職場で働いたりしている。貧困、過重な家事負担、そして母乳代替品のマーケティングが、母乳育児をさらに阻害している。つまり、母親の失敗ではなく、母親を支えるべき制度の欠陥なのだ。

 『比栄養行動計画』は、2028年までに完全母乳育児の割合を80%以上に引き上げるという野心的な目標を掲げている。しかし、目標達成には、母親たちに母乳育児を勧めるだけでは不十分である。産前産後のケア、赤ちゃんに優しい医療施設、母乳育児に配慮した職場環境、地域社会の支援、そして確実なモニタリングを通じて、彼女たちが暮らす環境そのものを変革していくことが必要となる。

 医師、看護師、助産師、バランガイの保健従事者、雇用主、地方自治体、政策立案者、父親、祖父母、学校、宗教団体、市民社会組織、そしてメディア――これらすべてが、関わる問題であり、社会全体の責任なのである。

 宗教的・文化的機関も重要な役割を果たしている。ミンダナオ島の多くのイスラム教コミュニティにおいて、母乳育児は深く根付いた価値観でもある。クルアーンは、母親に対し、子どもを「満2年間」母乳で育てるよう奨励している(クルアーン2:233)。公衆衛生プログラムは、こうした文化的・宗教的な基盤を活かすことにより、さらに効果的になる。

 また、学校も、若者が親になる前から、栄養、母子の健康、親としての責任、そして母乳育児について、年齢に応じて教育できる。これは、早期妊娠や貧困などで学校を中退しうる青少年にとって、特に重要である。

 母乳育児の支援には、信頼性の高いモニタリングも不可欠である。質の高いデータがあれば、医療従事者や地方自治体は、母親が支援を必要としている場所を特定し、プログラムが効果を上げているかどうかを評価し、今後の政策の指針とすることができる。妊娠・授乳期の母親の支援は、最も賢明な投資の一つである。見返りに、より健康な子どもたち、より強固な家族、学習能力の向上、医療費の削減、人的潜在能力がもたらされる。

 「世界母乳育児週間」を記念するにあたり、母乳育児は母親の責任であるという考え方を乗り越えよう。すべての子どもには、可能な限り健康的な人生のスタートを切る権利がある。そのスタートを子どもたちに与えるためには、国を挙げての取り組みが必要なのだ。(8月2日・マニラタイムズ、ラライ・ラモス・ヒメネス氏)

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