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中央銀行も懸念する首都圏の最賃引き上げ 効果は少なく経済全体に悪影響

1773字||社会|新聞論調
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 比中央銀行のエリ・レモロナ総裁――その能力、誠実さ、プロ意識は疑いの余地がない、経験豊富な銀行家兼経済学者――が、マニラ首都圏における大幅な最低賃金引き上げについて公に懸念を表明している以上、私たちも懸念を抱かざるを得ない。

 同氏は特に、この措置が物価上昇を加速させ、すべての人々、とりわけ貧困層の生活費を押し上げることを懸念している。結局のところ、労働者への恩恵は、物価上昇による購買力の低下によって相殺される可能性があるのだ。

 物議を醸している1日あたり85ペソの最低賃金引き上げは首都圏(NCR)を対象としたものだが、全国的に懸念を引き起こしている。

 その理由は、(1)NCRだけで国内総生産の3分の1近くを占めており、したがって賃金引き上げによる物価上昇が、不釣り合いなほど広範囲の商品やサービスに影響を及ぼす可能性があること、 (2) NCRの賃金決定は通常、他のすべての地域の三者間賃金生産性委員会の指針となるため、各地の委員会でも同様の動きを推進する可能性が高いこと、(3) 大幅な最低賃金調整は企業の賃金構造を歪め、全面的な賃上げ要求を引き起こす可能性が高いこと、である。

 賃金の設定は、本質的にデリケートな問題であり、広範囲にわたる影響を及ぼす。これは、経済学の自然法則である「需要と供給の法則」に逆らうことに他ならない。価格が市場の均衡点(すなわち、需要量と供給量が完全に一致する点)を上回る水準に固定されると、供給過剰が生じる。

 労働市場において、これは失業につながる。価格(賃金)が高すぎるために雇用主が従業員数を削減せざるを得なくなり、一方で高い賃金に惹かれてさらに多くの求職者が集まってくるため、一部の労働者は自分のサービス(仕事)に対する需要を見出せなくなる。

 この不均衡により、失業が増え、求職者が仕事を見つける可能性は低下する。最貧困層の労働者に高い賃金を保障することは、動機としては立派な措置だが、代償が伴う。そして、その代償を負担するのは雇用主ではない。雇用主は価格を引き上げることで、そのコストを買い手に転嫁してしまうからだ。結果、そのコストを最終的に負担し、打撃を受けるのは、労働者自身である。購買力の低下や、失業などにより被害は拡大する。

 とりわけ貧困層自身が負担を強いられる点に留意すべきである。比統計庁が発表した最新の月次労働力統計の数字を詳しく見てみると、この点がより明確になる。

 全労働者のうち、賃金・給与所得者は3分の2未満(64.4%)に過ぎない。残りは自営業者(27.8%、1,360万人)か、無給の家族従事者(5.8%、280万人)であり、彼らは最低賃金の引き上げによる恩恵を受けず、むしろ不利益を被る可能性さえある。自営業者のうち、100万人近くは家族経営の農場や事業体の雇用主である。彼らにとって、大幅な法定賃金引き上げは事業の終焉を意味し、ひいては大幅な雇用喪失につながる可能性がある。

 賃金労働者である64.4%のうち、民間企業から賃金を得ているのはわずか50.7%に過ぎない。残りの13.7%(約670万人)は、個人宅、自身の家族経営の農場や事業、あるいは政府機関で働いており、これらの職場では法定の日給最低賃金が適用されないか、あるいは執行されていない。政府機関の場合、労働者の約3分の1は「業務委託」または「業務請負契約」による雇用者である。

 民間企業の賃金労働者(2,500万人未満)の50.7%のうち、割合は不明ながら相当数が、最低賃金の適用除外となる小規模企業、とりわけ全企業の90%を占める零細企業で働いている。これにより、民間企業で働く人々のうち、最低賃金規定の適用対象となるのはごく一部となる。

 さらに、労働雇用省のデータによると、最低賃金労働者はおよそ470万人であり、これは労働力人口の10人に1人未満だ。これほど少数ならば、経済全体に被害を与えず、彼らが生活を送れるよう支援するための、的を絞った方策を考案してはどうか。

 政府が、狙いを定めたライフル銃を使う方がはるかに理にかなっている問題に対して、散弾銃で対処しようとする傾向があるのは嘆かわしい。(7月28日・インクワイアラー、シエリート・ハビト氏)

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