政府は看護職の増員に注力を AI・自動化に代替されない雇用対策が必要
比では、技術の急速な発展、特に人工知能(AI)の進展が、労働市場に大きな圧力をかけているという認識が高まっている。
スキルの格差はすでに深刻である。世界経済フォーラムが昨年行った分析によると、2030年までに比の労働力の推定68%が、雇用維持のために追加の研修を必要とするとされ、これは世界平均の47%を大幅に上回っている。
その結果、政府の雇用創出戦略の多くは、労働力の「スキルアップ」に焦点を当て、技術教育技能開発庁などを通じて、初級労働者向けの研修内容を更新するものになっている。しかし、これは逆効果になる可能性がある。「パックス・シリカ」イニシアチブやテクノロジー主導のルソン経済回廊といった開発計画により、無限の雇用が生まれるという極めて楽観的な予測があるにもかかわらず、AIやその他の自動化の進展が、人間の雇用を減少させ続けると見られているからだ。
国際貿易局の昨年のデータによると、比における人間による業務の割合は、現在の43%から2030年までにわずか26%に低下すると予想されている。一方、完全な自動化技術による業務の割合は38%に増加すると見込まれている。
一般教育や職業教育制度を通じて労働力のスキル向上を図ることは重要であり、政府も体系的な取り組みを行うべきだが、これを最優先事項とするのは、費用対効果が低下しかねない。その代わりに、政府は、「AIに代替されにくい」職種への支援を強化すべきであり、その中でも看護職はおそらく最も生産性の高い職種と言えるだろう。
アジア開発銀行(ADB)のデータは、看護職が国民経済を支える上でいかに効果的であるかを明らかにしている。世界には、あらゆる種類の医療従事者が約6500万人おり(すでに1000万~1500万人の不足が生じている)、そのほぼ半数にあたる約2900万人が看護師である。看護職は、現存する経済セクターの中で最も雇用を創出する分野の一つであり(雇用を削減するハイテクセクターとは対照的である)、看護師1人につき関連産業全体で3.4人の雇用を生み出している。
雇用面でも潜在力がある。世界銀行のデータによると、アジア太平洋地域全体で、医療分野の雇用は総雇用数のわずか4~7%を占めるに過ぎないが、先進国では最大20%に達している。比の専門家たちは、国内で働く看護師と海外就職を目指す看護師の両方を考慮に入れ、年間約20万人の新規看護師が必要であると推計している。そして現在の人手不足が、ユニバーサル・ヘルスケアの枠組みなどの広範な公衆衛生の目標の達成を困難にしていることを強調している。
世界的に見て、現在の看護師不足は580万人と推定されている。看護師1人あたりの雇用は、政府や個々の家庭からの投資の約10倍の利益をもたらす。したがって、技能開発や雇用創出において看護を最優先事項としないことは、国全体として「莫大な利益を逃している」ことになりかねない。
看護職のもう一つの利点は、仕事そのものは性別を問わないものの、女性にとって多くの正式な雇用やキャリアの機会を提供している点だ。世界全体の医療関連職の約70%、看護職の85%は女性が占めている。依然として所得格差は存在するが、国際通貨基金(IMF)の分析によると、男女間の雇用格差を解消する施策の一環として看護を活用すれば、国内総生産(GDP)を最大35%も押し上げることができる可能性がある。
わが国のような送金に依存する国々にとって、看護は数少ない海外職種の一つであり、海外での仕事と国内での仕事が実際に互いに補完し合っている。海外で働いた後に帰国する看護師――これは看護師の大多数がたどるキャリアパスである――は、経済的な貢献に加え、多くの知識をもたらし、国内の医療制度の改善に寄与することができるだろう。(10月3日・マニラタイムズ社説)








