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比に不利な条項並ぶ 「パックス・シリカ」覚書

1736字||社会|新聞論調
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 マルコス政権は、トランプ政権の「パックス・シリカ」イニシアチブへの比の参加を巡り、数ヶ月にわたって自画自賛にふけってきた。最も苛立たしいのは、2月初旬に交わされた覚書が一般に公開されておらず、間接的なルートを通じてしか入手できないことだ。比外務省は、今月初め、議会からの要請に応じて、ようやく文書を提供したが、知る権利を持つ市民にとって不十分な対応だ。

 政府によれば、正式な協定が11月頃に締結される。そこで初めて、この取り組みがどれほどの規模で国を売り渡すのかが明らかになる見込みである。覚書は法的拘束力を持たないものの、最終合意の基礎となるものであり、それらはすべて米国に有利で、比にとって不利益なものばかりである。

 まず、覚書は「重要鉱物」のみに限定されているが、その定義は示されておらず、人工知能(AI)データセンターおよび、コンピュータチップや半導体製造といった関連産業の発展についても示唆されていない。付加価値を生み出す下流産業の発展についても、曖昧で条件付きの記述にとどまっている。

 覚書は3ページ半ほどしかないが、最初のページは、合意の正当性を説明する「前文」で占められている。経済団体や学界の人々は、これらに盛り込まれた「公平性」と「互恵性」という文言に惑わされたようだ。

 他にも問題は多い。第1.1節「供給の確保」において、本覚書は「比の重要鉱物および希土類セクターの競争力を高める」という目的を掲げている。問題は、「競争力」とは「米国市場、あるいは米国が容認するその他の市場への販売」だと明確にされている点である。

 第1.2節では、「優先サプライチェーンのギャップを解消する」ために、採掘および加工事業を「共同で特定」することになっている。比にはこうした「優先サプライチェーン」が存在しないため、これは、何を採掘・加工するかについて米国が決定権を持つことを意味する。

 この点は、文書全体を通じて比の主権を甚だしく放棄する条項である第1.8節「地質調査」によってさらに裏付けられている。同節では、フィリピンは自国の鉱物資源および希土類資源に関する戦略的情報を、米国と独占的に共有することに同意することになっている。

 この条項は、他の鉱物資源が豊富な国々が向かっている方向とは異なる。比よりも「重要鉱物」の埋蔵量がはるかに豊富なコンゴ政府は、その情報を国家安全保障上極めて重要であると判断し、同国における地質情報の共有を厳しく規制したばかりである。

 ケニアも同様の動きを見せており、約束していた加工産業の設立や雇用創出を果たせなかったとして、インドの大手タタ・グループに対し、同国からの撤退を命じたばかりだ。ケニアは、ソーラーパネル用のガラスなどの製造に用いられるトロナの主要産地である。

 また、この覚書は、将来の開発事業について米国に優先交渉権を付与している(第1.2c項)。加えて、事業への資金提供を、鉱産物およびその派生製品の輸出先を米国に限定することを条件としている(第1.2b項)。他のいくつかの条項でも比の取引相手について制限を設けている。おそらく、「パックス・シリカ」参加国が中国と「センシティブな」物品の取引を行ってはならないという米国の指令が、最終合意に反映されるだろう。

 この覚書を楽観的に解釈すれば、比の産業政策を後押しし、新たな産業や雇用を創出する可能性が見出せるかもしれない。しかし、それは米国経済およびハイテク産業を全面的に支援する条件の下でのみである。その本質は、「比は自国が保有する鉱物資源を米国に報告し、米国が望む開発方法を決定することを認め、その後、それらの鉱物資源またはその派生製品を、米国、あるいは米国が指定する他の市場にのみ販売する」というものである。

 さらに、米国はこれらの費用を自国で負担するつもりすらない。第1.2b項によれば、両「参加者」は「事業の実施に向けて多大な貢献を行う」ことを約束しており、これは政府による直接的な資金提供、あるいは米国に左右される単一顧客市場への比企業による投資のいずれかを意味する。(9月22日・マニラタイムズ、ベン・クリッツ氏)

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