フィリピン新聞

本日休刊日

失踪の船長が出頭 パラワン沖フェリー火災事故

758字||社会

フェリー火災事故で、直後から行方が分からなくなっていた船長がパラワン州内の運航会社事務所に姿を現す

全焼した「M/Vジューン・アスター」
全焼した「M/Vジューン・アスター」=PCGフェイスブック

 パラワン州コロン沖で発生したフェリー「M/Vジューン・アスター」の火災事故で、火災発生直後から行方が分からなくなっていた船長が14日、同州内の運航会社事務所に自ら姿を現し、フィリピン沿岸警備隊(PCG)などの取り調べに応じることが明らかになった。15日のPCG発表によると、出頭したのはロエル・サルミエント船長で、事故発生から5日間に渡り連絡が取れなくなくなっていた。サルミエント船長が出頭したことで、過失致死や海上安全基準違反、行政責任などを巡る本格的な捜査が始まる。

 PCGのノエミ・カヤビャブ報道官によると、サルミエント船長は14日、運航会社アティエンザ・インターアイランド・フェリーズの人事幹部に伴われてパラワンの同社事務所に現れた。当局はこれまで同船長を生存者公式リスト未登録のまま追跡していたが、どこに滞在していたのか、なぜ迅速に報告を行わなかったのかについて厳しく追及する方針だ。

 最新の公式集計によると、発券名簿134人のうち未乗船の2人を除く実際の乗客乗員132人のうち、76人の死亡が確認され、船長を含む44人の生存が確定、依然12人が行方不明となっている。PCGおよび海運海事局(MARINA)は、多数の犠牲者・不明者を出した事態の重さを踏まえ、運航指揮官である船長には重大な法的・行政的責任(免許取消や刑事訴追)が科されるとの見解を示している。

 捜査当局は、出火当時降雨のため張られていた「雨よけ防水シート」が乗客の脱出通路を遮断した可能性や、生存者の証言にある「火災警報が鳴らなかった」点について検証を進めている。同船は出航前の非常準備評価や安全検査を通過していたが、当局は安全規制違反にとどまらず、人為的な放火など海洋犯罪(海の事件)の可能性も排除せず全容解明を進めている。

社会