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稲作農家の生活を向上させる時間はまだある 農務大臣のコメ価格の公約達成不可能発言も

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 2022年5月の大統領選挙に向けた公約が掲げられた当時でさえ、米を1キロあたり20ペソという市場価格で販売できるかどうかについては、すでに疑問の声が上がっていた。

 当時、ロシアはまだウクライナに侵攻しておらず、化学肥料の世界的な価格や供給状況もまだ安定していた。イランでの戦争もまだ始まっておらず、ペソ相場も取引日ごとに史上最安値を更新するような状況にはなっていなかった。

 したがって、先週、ラウレル農務大臣自らが、「米の市場価格を1キロあたり20ペソに下げることはもはや不可能だ」と述べたのも、驚くことではなかった。同氏は、マルコス大統領もすでにこのことを認識していると述べ、政府は代わりに、2028年まで、困窮世帯への補助金付きで1キロあたり20ペソ米の供給を維持することに注力しているとした。

 これは国が補助金を支給する商品であるため、政府が20ペソを下回る価格でも貧困層に米を販売することに何ら支障はない。1キロあたり20ペソという価格に固定することは、必然的に、大統領が2022年の選挙戦で掲げた最も劇的な公約を果たしたと政府が主張できるようにするための措置と見なさてれる。

 しかし、マルコス政権には、米生産に従事する農家だけでなく、零細農家の窮状を大幅に改善するための時間が、まだ2年残されている。当局は、現在急ピッチで進められている、科学に基づいた洪水対策の工学的介入の導入を活かすことができる。全国各地で計画されているこれらの貯水システムには、水供給が不足した際の農家の灌漑ニーズを組み込むことが可能だ。

 科学者たちは、数ヶ月後にはその全容が明らかになる「超大型」のエルニーニョ現象について警告を発している。乾燥期に徐々に放流できるよう水を貯留する仕組みがなければ、大量の水を必要とする水田農家にとって、このようなエルニーニョ現象は壊滅的な打撃となるだろう。

 農産物輸送道路(Farm to Market Road)も迅速に整備できるだろう。汚職が横行していた公共事業道路省から最近、農務省がこの任務を引き継いだことで、農産物輸送道路事業は加速すると見込まれている。また、マルコス大統領が農務大臣を兼任していた頃から公約してきたコールドチェーン施設の整備も、政府は加速させることができる。

 この兼任は、彼が農業をいかに重要視しているかを強調するためのものだった。しかし、彼がその職に就いていた1年間は、米価格の高騰に加え、卵、ジャガイモ、豚肉、大型ブロイラーの不足、さらには砂糖輸入をめぐるスキャンダル、そして価格を天文学的な水準まで押し上げた前例のない深刻なタマネギ不足に見舞われた。

 現在は別の男が農業を担当している。市場価格で1キロあたり20ペソの米を実現することは2028年までは「不可能な使命」となってしまったが、マルコス政権には依然として、稲作農家の生計を向上させ、米の供給と市場価格を安定させるための時間がある。(9月7日・スター社説)

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