「パックス・シリカ」は是か非か 投資を呼び込むだけでは不十分
デジタル技術のサプライチェーンを確保するために米国が主導している国際的パートナーシップ「パックス・シリカ」は、昨年4月に比が13番目の署名国となって以来、賛否両論の反応を引き起こしている。ここでは、あまり注目されていない、見過ごされがちな、プラス面とマイナス面に焦点を当てたい。
支持者たちは、大規模な新規雇用と海外投資を主なメリットとして挙げている。潜在的には、さらに大きなメリットとして、「パックス・シリカ」が、これまで比で慢性的に欠如してきた分野――電力網の信頼性、工業用水システム、物流インフラ、技術者人材の確保と育成、品質基準、規制の質、サイバーセキュリティシステムなど――において、ついに改善が迫られるという点がある。
政府は自発的に行動する前例がなく、災害や外部からの圧力といった強い後押しがあって初めて、行動に移すのが常である。このパートナーシップに参加する十数か国からの圧力が、その後押しとなる可能性は十分にある。歴史が示すように、高付加価値産業への移行に成功した国々は、工場そのものだけでなく、それを支えるための制度改革、高度な産業インフラを運営する能力の向上という恩恵を受けてきた。
あまり言及されないもう一つの利点は、日本、韓国、英国、シンガポール、オーストラリア、オランダ、イスラエル、台湾、欧州連合(EU)、カナダ、アラブ首長国連邦(UAE)といった経済大国を含む複数の国々との交渉力が高まることだ。これらの国々に対してさらに有利な立場を築き、技術提携、インフラ資金調達、産業面でのコミットメントをより容易に獲得することができる。しばしば語られるように米国と中国の二者択一の問題ではないのだ。
その一方で、パックス・シリカの批判派は、環境への影響(水、電力、土地利用の負荷)、地域社会の立ち退き、主権問題、そして地政学的リスクという4つのリスクに焦点を当てている。
あまり議論されていないのは、バリューチェーンの重要な部分を確保することなく、単に大規模な工業団地を誘致するだけになってしまうというリスクである。重要なのは、単に投資を誘致するかどうかよりも、その投資が、国内の資源や労働力の大幅な参画が可能になるかという点である。
また、知的財産権、高度なエンジニアリングおよび製造の専門知識、そしてサプライヤーのエコシステムも獲得しなければならない。輸出加工区の過去の経験では、こうした深みのある利益が得られていなかった。今回は、より高い現地調達率、技術移転、研究開発、そして労働力育成の要件を確実に満たすよう、断固として主張しなければならない。
批判派は、パックス・シリカが過度な量の水と電力を消費し、比国民の供給を満たせなくなると最も頻繁に警告している(これに対し、支持派は即座に反論や保証を用意している)。
しかし、より重大なのは、このプロジェクトが国家開発の方向性を逸脱させるかどうかという点だ。これほど大規模な戦略的プロジェクトは、公益事業、港湾開発、技術教育、研究、さらには政治的優先事項に至るまで、公共投資の方向性を決定づけることになるだろう。これらをAI、半導体、戦略的製造業に過度に集中させることは、農業の近代化、製造業の幅広い多角化、再生可能エネルギーやバイオテクノロジーのイノベーションといった他の重要課題を損なう恐れがある。
成否の鍵は細部にある。リース構造、税制、管轄規定、データガバナンスのルール、知的財産権の帰属、現地調達要件、技術移転条項などだ。こうした細部をどのように交渉するかにかかっており、それによって「パックス・シリカ」が変革的な産業政策の成功となるのか、あるいは単なる巨大なエンクレーブ経済(外部資本による産業が国内の産業と結びつかず、外国の「経済的飛び地」として資源や利益が持ち出されること)に終わってしまうかが決まる。このプロジェクトに挑むべきだが、交渉の切り札を強力なものにしなければならない。(8月4日・インクワイアラー、シエリート・ハビト氏)








