「中国は信頼しない」64% 反中感情再上昇、OCTA調査
OCTAリサーチの調査で比国民の64%が「中国を信じない」。3月から9ポイント上昇
フィリピン大などの調査グループ「OCTAリサーチ」は22日、フィリピン国民の対中感情に関する7月世論調査結果を発表した。それによると、中国を「全く信頼しない」「あまり信頼しない」との回答は計64%となり、前回3月調査(55%)から9ポイント上昇した。「中国を信頼する」との回答は17%から14%に低下、「分からない」は28%から21%に減少した。調査期間は2016年南シナ海仲裁裁判10周年と重なっており、比中間で非難合戦が強まったことが世論に反映されたと見られる。
2022年2月時点で61%だった中国への不信率は、マルコス政権発足後に南シナ海を巡る緊張が高まったことを背景に続伸。24年6月17日に南シナ海アユギン礁(英名セカンドトーマス礁)で海警局と比海兵隊の間の揉み合いが起こり、比隊員が指を切断した事件の直後の調査では95%に達した。さらに海警局船による体当たりで比巡視船が大きく損傷する事件が続発した同年8月調査では95%となり、2回連続でピークを記録した。
だが2025年以降は低下に転じ、今年3月は55%と2022年以降最も低くなっていた。中間選挙の年から対中強硬アピールより内政を重視したことや、治水汚職問題の勃発、サラ副大統領の弾劾裁判などで国民の関心が国内に向かったことが影響したとみられる。
社会階層別に中国への不信率を見ると、富裕層~中間層(ABC)は66%、人口の大半を占める大衆層(D)は63%、貧困層(E)は67%となり、階層に関わらず中国に高い不信感を持っていることが示された。
地方別では首都圏が59%、首都圏除くルソン地方が67%、ビサヤ地方が63%、ミンダナオ地方が62%。18地域区分別では、南シナ海に面するミマロパ地域が94%、ミンダナオ北部カラガ地域が88%と高かった一方、中部ビサヤ地方は47%と関心の差が表れた。
OCTAリサーチは、「中国海警局や海上民兵の活動が収まっていない時期にも不信が低下していたことから、世論は海上の出来事だけでなく、それが国内でどう伝えられ、理解されるかにも左右される」と分析。対中世論は固定的ではなく、「情報環境や西フィリピン海(南シナ海で比が権益を主張する海域)への関心の高まりに応じて短期間で変化し得る」と指摘した上で、「政府、市民社会、メディアによる継続的で信頼性のある情報提供が、外交・安全保障問題に関する国民の理解形成に重要だ」とした。
調査は4~11日、全国の18歳以上の男女1200人を対象に対面方式で実施した。誤差は全国値でプラスマイナス3ポイント。








