フィリピン新聞

マニラ
33度-25度
両替レート
1万円=P3,960
$100=P6250

中国念頭に「力による圧力」をけん制 テオドロ国防相、国際規範の順守訴え

906字||政治

ソウル国防対話でテオドロ国防相、中国念頭に力による圧力をけん制、国際規範と同志国連携を強調

ソウル国防対話で演説するテオドロ国防相
ソウル国防対話で演説するテオドロ国防相

 テオドロ国防相は8日、韓国・ソウルで開かれたソウル国防対話(SDD)2026で、力を背景に小国や島しょ国へ圧力を加える行為を批判し、フィリピンは領土保全と主権で妥協しないと強調した。中国を名指ししなかったものの、「力」が国際規範に優先する状況を繰り返し問題視し、防衛近代化と同志国との連携強化を打ち出すなど、中国を念頭にしたけん制とみられる。同相は同時に、「人間の安全保障」を国際的な安全保障秩序の中核に据えるよう訴えた。人間の安全保障について、人の生存、人権、健康、自然災害からの安全、教育機会、思想・言論の自由を守る考え方と説明した。

 同相は全体会合で「国際安定のための協力的な枠組み」をテーマにフィリピンの立場を説明。「攻撃的な主体」の行動を抑えるため、国際規範を機能させる必要性が一段と高まっていると指摘した。紛争の根本には動機と機会に支えられた攻撃的行動があり、その代償を小国や島しょ国が負わされているとの認識を示した。

 さらに、力の行使が十分に抑制されない状況では「力」と「正しさ」が対立し、戦争の危険性が高まると警告。フィリピンは領土保全と主権について妥協せず、領土へのいかなる侵略にも抵抗し、国際法を守る立場を維持すると表明した。

 その上で「防衛近代化と強靱な能力の構築を続ける」とし、自国の防衛能力を高めるとともに、同志国との連携を強化する方針を示した。軍事力そのものだけでなく、国際規範と同志国による連携を組み合わせ、より大きな国から圧力を受ける小国・島しょ国の安全を確保する考えを示した形だ。

 会合には韓国の安圭伯国防相とチェコのズーナ副首相兼国防相も参加した。テオドロ国防相は、世界各地で紛争が続く中、甚大な自然災害も被災者の負担と将来の不確実性を増していると指摘。安全保障を国家間の軍事問題だけでなく、人の生存や権利を守る問題として捉える必要があると訴えた。

 また、韓国の李在明大統領の発言を引用し、国際的な協力枠組みには抑止力、例外や恣意的な再解釈を認めない国際規範の順守、共存が必要だと強調。こうした秩序は「将来世代の生存」のためにも追求すべき目標だと述べた。

政治